文章力はビジネス全般において重要なスキルの1つですが、SEのような技術職にとっては必ずしも得意分野ではありません。
そこで文章力を磨くのに役立つ本『新しい文章力の教室』を紹介します。
この本の最大のメリットは、文章力を磨くことで周囲のSEと差別化できるところです。
文章力は毎日の業務で使いますが、ほとんどの会社では研修などで文章力の有用性やお作法について教わる機会は少ないと思います。
文章力が上達すると評価が上がり、自信を持って業務に取り組むことができます。
SEは日々の業務でメールやチャット、会議のアジェンダ、計画書や企画書などの各種文書、プレゼンなどで文章を書く機会が多くあります。
この本から学ぶことで、伝えたいことを的確に表現し受け手に理解してもらえる文章が書けるようになれます。
この記事の筆者|きなこ

- 現役のプロジェクトマネージャー
- 国内大手Sier勤務(2022年売上ベース国内最上位)。13年目
- プロマネ歴1年を経過。初心者プロマネ
- 3児のママ
- 30代半ば
この記事で紹介する本|新しい文章力の教室
- 著者:唐木 元
- 出版社:インプレス
- 発売日:2015/8/7
- 全208ページ
【結論】文章力はSEにとっての差別化スキル
SEは業務で文章を書くことが多いのに、文章について学ぶ機会が少ない
SEは文章力を磨くことで、他のSEと差別化できる
文章力を磨くには書籍「新しい文章力の教室」がおすすめ
文章力は幅広い業務へ応用できる
「新しい文章力の教室」とは?

著者プロフィール(唐木元さん)
1974年生まれ。株式会社ナターシャ取締役。大学在学中よりライターとして働き始める。
卒業後は事務所「テキストとアイデア」を開設、雑誌を中心に執筆・編集の現場に従事した。
2008年、株式会社ナターシャに参加し、編集長として「コミックナタリー」「おやつナタリー(終了)」「ナタリーストア」を立ち上げた。
2015年、社内向けの研修テキストをもとに『新しい文章力の教室』を上梓。
≫参考:インプレス(唐木元)
≫参考:ナタリー
「新しい文章力の教室」の概要
「新しい文章力の教室」は、唐木元さんが培ってきたノウハウをもとに、文章の「考え方」と「書き方」をわかりやすく解説した一冊です。
入門者から上級者まで幅広く対応しており、ビジネス文書やプレゼン資料の作成、ブログ記事の執筆など、読み手に伝わる効果的な文章が書けるようになります。
「新しい文章力の教室」メリット、デメリット
本書のメリットは、以下の通りです。
- 文章力が低い人でも取り組みやすいレベルから始められる。
- 具体的な例文やチェックポイントが豊富に紹介されている。
一方で本書のデメリットは、以下の通りです。
- ノウハウが豊富な分、一度読みきるだけではノウハウ身につけにくい(ハンドブックのように活用して文章力を長期的に磨く必要がある)。
他の教材や書籍との違い
「新しい文章力の教室」は、唐木元さんの豊富な実務経験を反映した実践的な内容が特徴で、良くない文例と良い文例が多数盛り込まれている点が他の教材や書籍との違いです。
また、「考え方」と「書き方」をバランスよく学べるように構成されています。他の教材や書籍では、「考え方」だけ重視したり、「書き方」だけ重視したりする傾向があります。
「新しい文章力の教室」がシステムエンジニアにとって役立つ5つの理由

文章力に自信がつく
SEは技術職なため、文章を書くことに苦手意識を持っている人も多いです。
「新しい文章力の教室」は、文章力を高めるための基本的な考え方と書き方を学ぶことができます。
これにより文章を書くことに自信がつき、仕事にも積極的に取り組めるようになります。
文章が書けると評価があがる
SEは普段の業務で文章を書くことが多いのに、文章について学ぶ機会が少ないことが大半です。
これは他のSEとの差別化ポイントです。
文章が上手く書けるようになることで、各種ドキュメントの質が向上し上司や顧客からの評価も高まります。
文章力は幅広い業務へ応用できる
本の中で著者の唐木さんもおっしゃっています。
新人の文章がうまくなっていくのと並行して、その人の仕事ぶりそのものがメキメキと伸びていくのです。ニュース記事もインタビューも、提案書もプレゼンもイベント企画も、実のところ作り方は一緒なので、ひとつやり方を覚えると他のことにも応用が効くということです。
引用:新しい文章力の教室
上記については私自身も経験があります。
文章力はSEの業務でも幅広く応用できて、文章力がついてきたと感じたころから関係者を上手く巻き込みながら仕事ができるようになりました。
SEは文章を書く機会が多い
SEはとにかく文章を書くことが多いです。プログラムやシステムの設計だけでなく、報告書やメール、チャット、計画書、企画書、プレゼン資料など文章を書く機会が多くあります。
文章を上手に書くことで、自分の意見や提案を相手に伝えることができるようになり業務の効率化につながります。
特にコロナ禍を乗り越えた現代はリモートでの業務も一般的です。メールやチャットの文章に手を抜いてメンバー間で認識違いを起こしたり、やりとりが増えると非効率です。
このように文章力をつけることは、トータルでみると時短にもつながります。
受け手目線で伝える力が身につく
SEは自分の専門知識や技術を他の人に伝えることが多くあります。
一方で自分が理解していることをそのまま伝えても、受け手にはわかりにくかったり興味を持ってもらえなかったりすることもあります。
「新しい文章力の教室」では、受け手目線で文章を書くためのコツやポイントを紹介しています。
実際の業務でどのように文章力を鍛えれば良いか

現場においては文章力を磨く機会がたくさんあります。
「新しい文章力の教室」は一読すればすべて理解できるような内容ではないため、繰り返し読み返しハンドブックのように使ってスキルを定着させることが大切です。
では、どのようなシチュエーションで文章力を鍛えれば良いかを解説します。
メールやチャット
ビジネスシーンにおいて、メールやチャットでのコミュニケーションが欠かせません。特にリモートワークが普及した現代はなおさらです。
こうしたテキストベースのコミュニケーションにおいて、適切な言葉遣いや伝えたい内容を簡潔にまとめることが大切です。
例えば、メールやチャットだと以下がポイントになります。
- 目的や要点を明確にする
- 文章の構成や順序を工夫する
- 誤字脱字や文法ミスをチェックする
これらのポイントに気を付けてメールやチャットを書く習慣をつけることで、手に好印象を与えるだけでなく、自分の思考力も高めることができます。
会議アジェンダ
会議アジェンダにも文章力が求められます。文章は構成が重要で、それは会議も同じです。
会議アジェンダで文章力が低いと、会議の目的や流れがぼんやりしたり参加者の関心や意見が集まらなかったりする可能性があります。
会議アジェンダを作成できる文章力を身につけることで、効率的かつ有意義な会議運営が可能になります。
企画書や計画書などの各文書
企画書や計画書などの各文書は、自分のアイデアや提案を相手に伝えるために必要なものです。
しかし、企画書や計画書などの各文書で文章力が低いと、相手に興味や納得を持ってもらえなかったり、重要なポイントが埋もれたりする可能性があります。
企画書や計画書などを論理立てて伝わりやすく作成する習慣をつけることで、相手に自分の考えを効果的に伝えることができます。
プレゼン
プレゼンは、ビジネスシーンで最も文章力が試される場面です。プレゼンで文章力が低いと、聴衆に退屈や不信感を与えたり、自信や説得力が感じられなかったりする可能性があります。
文章力を鍛えることで、聴衆に印象的かつ説得力あるプレゼンテーションができます。
「新しい文章力の教室」の感想と評価

「新しい文章力の教室」は、WEBメディア運営を手掛ける著者の本ですが、WEBメディア関係者に限らずすべてのビジネスパーソンに有益な本だと感じました。
良かった点
✔️分かりやすくて実用的な内容
唐木元さんの解説は、初心者でも理解しやすく、実践に役立つ具体的なアドバイスが多数ありました。
✔️具体例が豊富
書籍内に多数の具体例が含まれていて定着度が高くなるように工夫されていると感じました。
気になった点
✔️難易度が高くて時間がかかる
初心者向けの教材ではありますが、それでも文章力を上げるには相応の時間と労力が必要です。一気に読み進めるのではなく、章ごとにじっくり取り組むことが必要です。
総合的な感想
「新しい文章力の教室」は、文章力を上げたい人にとって非常に有用な教材だと感じました。唐木元さんの解説が分かりやすく、実践的なアドバイスが多数含まれています。
ただ、初心者向けではあるのですが文章力を身につけること自体の難易度が高いため、時間と労力が必要です。
それでも、文章力を上げたいと思っている人にはおすすめの教材だと思います。
星評価は、4.5/5とさせていただきます。
よくある質問(FAQ)

Q1. 文章を書く際、どのようにアイデアを出すのが良いでしょうか?
A1. アイデアを出すためには、まずはブレストやマインドマップなどを使ってアイデアを自由に出してみると良いです。
また、関連する文献や情報を調べ、アイデアを深めることも有効です。
Q2. 文章を読みやすくするためには、どのような工夫が必要ですか?
A2. 読みやすい文章を書くためには、文の長さや構成、言葉の選び方などに気を配ることが大切です。
文は短く分かりやすく、段落を使ってまとまりをつけるなどの工夫が効果的です。
Q3. プレゼン資料の文章をどのようにまとめるのが良いでしょうか?
A3. プレゼン資料の文章は、伝えたいポイントを明確にし、必要な情報を簡潔にまとめることが重要です。
また、見出しや箇条書きを使って整理し、視覚的にも分かりやすくすると良いでしょう。
さらに、読み手に合わせた言葉選びや説明を加えることで、伝わりやすいプレゼン資料を作成することができます。
まとめ:「新しい文章力の教室」で文章力を鍛えてビジネススキルを磨こう!
「新しい文章力の教室」をSEへおすすめする理由を5つ紹介しました。
- 文章力に自信がつく
- 文章が書けると評価があがる
- 文章力は幅広い業務へ応用できる
- SEは文章を書く機会が多い
- 受け手目線で伝える力が身につく
一方で、文章力を磨くこと自体の難易度が高くスキルを身につけるまで時間がかかるというデメリットもあります。
総合的には、学ぶことの労力に対して得られる効果が大きい、コスパが良いおすすめ度の高い教養と評価しています。
コミュニケーション力を磨きたいと考えているSEには特におすすめの書籍ですので、ぜひ読んでみてくださいね。
そもそも読書する時間がない。という方は、「時間の作り方」について記事にまとめているのでご興味ある方は読んでみてくださいね。
≫【人生変わった】共働きSEワーママが実践する時間術とは?仕事も家庭も両立できる秘訣を大公開!
最後まで読んでくれてありがとうございました。
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