- これからSIerで働くことを検討していて「SIerはつまらないという意見が気になる」
- 現在SIerで働いていて「つまらない」と感じている
という人もいるのではないでしょうか。
自律的にキャリア形成しなければ、SIerで働くことがつまらないと感じてしまうことがあります。
この記事ではSIerがつまらないと感じる理由にはじまり、つまらないと感じているのになぜ辞めないのか、SIerでの仕事を面白いと感じるための思考法を現役のSIerエンジニアが解説します。
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- SIerがつまらないと感じる理由は「調整ばかりで仕事を進められない」「開発の機会が少ない」「顧客に振り回されがち」など
- SIerがつまらないと感じるのに辞めない理由は、「SIerは高待遇」だから
- SIerでの仕事を面白いと感じるためには「自律的なキャリア形成」が必要
SIerがつまらないと感じる6つの理由
SIerの仕事が「つまらない」と感じる理由を、実際に働いている人の視点から解説します。
- 調整ばかりで仕事を進められない
- 開発・プログラミングの機会が少ない
- Excel・PowerPointでの資料作成ばかり
- 上流工程や調整スキルがないと出世できない
- 新しいチャレンジが少ない
- 顧客に振り回されがち
それぞれ見ていきましょう。
1.調整ばかりで仕事を進められない
SIerで働く多くのエンジニアのほとんどがプロジェクトを担当するため、プロジェクトの進捗を上げたいと思っていますが、実際には会議や調整作業が中心となることが多いです。
これにより、本来のプロジェクト業務に集中できないというフラストレーションが生まれます。
SIerでは、プロジェクトの進行に伴い、多くの会議が必要です。これらの会議は、プロジェクトの進捗を共有したり、チーム間の調整を行ったりするために重要ですが、必要以上に開催されると作業の効率が低下します。
また、会議で扱われるべきでないような、テキストメッセージや資料で簡単に解決できる確認事項も会議で話し合われることも珍しくありません。
そのため、さらに作業時間が減少し、生産性が低下する原因となります。
会議の効率化や時間管理に対する意識が低いと、無駄な時間が増え、結果としてプロジェクトの進捗が遅れることになります。
このような意見は筆者が勤めるSIer固有の問題というわけではなく、SNSやネット記事でも同様の意見が見られることから、多くのSIerエンジニアが感じている課題と言えるでしょう。
2.開発・プログラミングの機会が少ない
多くのSIerエンジニアは、技術者としてのキャリアを積むためにこの業界に入ります。
ですが実際には、開発業務よりも資料作成や顧客との調整が中心となることが多く、ハンズオンで技術に触れる機会が限られてしまうため、物足りなさを感じることがあります。
3.Excel・PowerPointでの資料作成ばかり
SIerの仕事では、顧客への提案やプロジェクトの進捗報告のために、ExcelやPowerPointを使用した資料作成が多いです。
そのため、技術的なスキルを活かすよりも事務作業に多くの時間を費やすことになり、クリエイティブな仕事がしたいというエンジニアにとっては物足りないと感じる原因になります。
4.上流工程や調整スキルがないと出世できない
SIerでは、技術力よりもプロジェクト管理や顧客との調整能力が重視されるのが一般的です。
そのため、技術に特化したキャリアを望むエンジニアにとっては、出世の道が限られてしまうことがあります。
5.新しいチャレンジが少ない
SIerのプロジェクトは長期にわたることが多く、ほとんどのプロジェクトは既存の古いシステムの維持・改善が主な業務です。
また、新技術を採用して予期しない不具合に対処しなければいけないリスクを回避する傾向が強いため、新しい技術やトレンドを追求する機会が少なくなり技術者としての成長を感じにくくなります。
6.顧客に振り回されがち
SIerの仕事は顧客の要望に応えるサービス業の性質を持っています。
そのため、顧客の要求が多岐にわたり、時には不合理な要望に応えなければならない状況も生じ、ストレスを感じるという人も多いでしょう。
これらの理由から、SIerの仕事に対して「つまらない」と感じてしまいます。
では、なぜそれほどまでにつまらないのに辞めないのか、次の章で見ていきましょう。
SIerがつまらないと感じても辞めないのは…。高待遇だから
SIerで働いていることがつまらないと感じているのに、それでも働き続けるのはなぜなのでしょうか。
価値観は人それぞれですが、以下のような要因が挙げられます。
- SIerの待遇は良い(年収や労働環境)
- ネームバリューを捨てられない
- 年収アップ転職は激務なイメージがある
それぞれ解説します。
SIerの待遇は良い(年収や労働環境)
SIerがつまらないと感じるのに辞めない最大の理由は、高待遇であることが挙げられます。
厚生労働省によると、SIerエンジニア(業務用システムのSE)の平均年収は550万円です。
国税庁によると国内の会社員の平均年収が458万円であることから、SIerは高待遇な職種だと言えます。
また、労働環境もかなり整っています。
実際に筆者はSIerでプロジェクトマネージャーとして働いていますが、3人の育児中でもあるため、在宅ワーク・短時間勤務・フレックス勤務などの制度をフル活用中です。
SIerでは働く環境が整っているので、転職などにより待遇が悪化するリスクを懸念してしまいます。
参考:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag
参考:国税庁|令和4年分民間給与実態統計調査
ネームバリューを捨てられない
大手SIer企業に勤めるということは、一定のネームバリューを感じます。
自分自身はそのようなことを意識していないと思っていましたが、実際に転職活動を進めると意外と意識していることに気がつきました。
たとえば、ビジョンや理念が魅力的なスタートアップ企業に惹かれることもありましたが、現在の大手企業のネームバリューを捨て、認知度が低い企業への転職は躊躇した経験があります。
結局のところ、ネームバリューはただの名声ではなく、それに伴う安定性や将来のキャリアパスに対する保証のようなものと捉えられがちです。
そのため、多くのSIerエンジニアは、ネームバリューを捨てることに対して二の足を踏むのです。
年収アップ転職は激務なイメージがある
SIerから年収アップを目指す転職は、コンサルティングファームやSIer業界内でのより重い責任を伴うポジションにいくことを意味します。
このような転職は、高い報酬を提供する一方で、それに見合った、あるいはそれ以上のバリュー(もしくは労働)を要求されることが一般的です。
そのため、転職による年収の増加が、必ずしも生活の質の向上に直結するとは限らないという認識があります。
SIerからの転職を考える際には単に年収の数字だけでなく、仕事内容・ワークライフバランス・個人の価値観との整合性など、より広い視野で検討することが重要だと思います。
結局のところ仕事の満足度は年収だけでなく、仕事に対する情熱や達成感、プライベートの充実度など、多くの要素によって決まるものです。
SIerの仕事の将来性は|今後もニーズがある見込み
Google検索でSIerの評判を調べていると「SIerは将来性がない」「SIer やめとけ」などのネガティブな意見を目にすることがあります。
SIerには将来性を期待できないのでしょうか?
実際にはSIerに将来性がないというのは言い過ぎです。SI業界における多重下請け構造などの課題があることは事実ですが、SIerには今後も引き続きニーズはあるでしょう。
SIerの将来性については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。
SIerの仕事を面白くする方法|自律的にキャリア形成を
SIerの仕事において、モチベーションを維持しスキルアップやキャリアアップを目指すためには、自分自身のキャリア目標を明確にすることが重要です。
目標がないと、日々の業務が単調でつまらないものに感じられ、やる気が低下し、結果として自己成長が停滞してしまう可能性があります。
自分だけのキャリア目標を立てることで、仕事に対して良い影響を与えるポイントは自律性です。
自分が何のために働いているのか、どのような将来を目指しているのかを明確にすることで、現在の仕事に対する納得感が生まれ仕事を楽しむことができるようになります。
キャリア目標を立てることは、自分自身の専門性を高め、仕事に深みを与えるための第一歩です。
長期的なキャリアパスを設計し、それに向かってスキルを磨くことで、仕事の質を向上させキャリアアップにつなげられます。
自分のキャリア目標にもとづいて自律的に働くことは、SIerとしての仕事をより充実させ、自己実現につながる道です。自分の価値観に合ったキャリアを築くことで、仕事の面白さを見出し、モチベーションを高めることができるでしょう。
SIerを辞めたいと思ったときの選択肢
SIerで働くことに対するモチベーションが下がり、新しいキャリアの道を模索したいと考えたとき、大きな方向性として以下の3つの選択肢が考えられます。
- 異業種への転職
- 自社内で異動
- フリーランスとして独立
異業種への転職
ITスキルは多くの業界で需要が高く、SIerから異業種への転職は新たな視点や刺激を得る機会になります。
たとえば事業会社の社内SEなどで自分の技術を活かしつつ、異なる環境で成長を続けられます。
自社内で異動
そもそもSIreで働くことがつまらないと感じる原因が、SIerそのものなのかを一度見つめてみましょう。
SIerという環境が合わないのではなく、プロジェクトがミスマッチなら別のプロジェクトへ、別の業務で活躍できそうなら部署異動を調整することも有効な選択肢です。
フリーランスとして独立
自分のスキルを市場で直接売り込むことにより、より自由な働き方が可能です。
フリーランスの働き方は、プロジェクトベースでの仕事を選び、自分のペースでキャリアを築けます。
これらの選択肢は、SIerとしての経験を活かしながら、自分自身のキャリアを再定義する機会になります。
重要なのは、自分にとって何が最も価値があるかを見極め、その方向に向かって積極的に行動を起こすことです。
キャリアの転換点は、新しい可能性に満ちたスタートラインとなり得ます。
自分自身のキャリアに対して真剣に考えてみることが、より充実したワークライフへの第一歩となるでしょう。
次の章では、SIerで働く人の代表的なキャリアパスを解説します。
SIerで働く人のおもな5つのキャリアパス
SIerで働く人々には、多様なキャリアパスが存在します。以下に、おもな5つのキャリアパスを紹介します。
- 技術のスペシャリスト
- 事業会社の情シス担当
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
- フリーランスとして独立
技術のスペシャリスト
技術のスペシャリストとして、特定の分野や技術に深い知識を持ち、専門性を高める道です。最新の技術動向を追い続け、高度な技術力を身につけることで、企業内外での価値を高めます。
事業会社の情シス担当
事業会社における情報システム部門(情シス)は、IT戦略の立案や実施、システムの運用・保守管理、従業員のヘルプデスクなど多岐にわたる役割を担います。
SIerでの実務経験やスキルを十分に活かせる環境があるでしょう。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトの成功を導くために必要な管理能力を磨き、チームを率いるポジションを目指します。コミュニケーション能力やリーダーシップを活かし、プロジェクトを円滑に進行させることが求められます。
ITコンサルタント
顧客の課題解決を支援するコンサルタントとして、幅広い知識と経験を活かします。ビジネスと技術の両面から最適なソリューションを提案し、顧客のビジネス成長を促進します。
フリーランスとして独立
SIerでの経験を活かしてフリーランスとして独立することも選択肢のひとつです。
現在はフリーランスエージェントなどのサービスが成熟しており、フリーランスでも安心して働く環境が整ってきています。
自分に合ったキャリアパスを見つけ、目指すべき方向性を定めることが、仕事の充実感を高める鍵となります。
SIerの仕事が「つまらない」と感じる場合は、自分のキャリアプランを見直し、新たな目標に向かってチャレンジすることがおすすめです。
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ITエンジニア経験者の転職なら、総合型でなくIT業界特化型の転職エージェントの活用が効果的です!
現在は多くの転職エージェントがありますが、実績豊富なレバテックキャリアを利用すれば、希望に合った求人を逃すリスクを経験できます。
≫レバテックキャリアの特徴
- IT業界トップクラスの求人数とサポート実績(IT・Web特化求人28,551件:2024年9月時点、IT専門職のサポート実績10年以上)
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まとめ|SIer「つまらない」と感じるならキャリアプランを考えてみよう
この記事を読んで、以下のことがわかりました。
- SIerがつまらないと感じる理由は「調整ばかりで仕事を進められない」「開発の機会が少ない」「顧客に振り回されがち」など
- SIerがつまらないと感じるのに辞めない理由は、「SIerは高待遇」だから
- SIerでの仕事を面白いと感じるためには「自律的なキャリア形成」が必要
SIerの仕事が「つまらない」と感じる場合、それはキャリアの見直しや変化を求めるサインかもしれません。
自分のキャリアに主体的に取り組むことで、仕事の面白さを再発見し、より充実した職業生活を送ることができるでしょう。
今一度、自分のキャリアプランを見直し、新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。