SIerは腐ってるってホント?現役大手SIerエンジニアが実態を徹底解説

SIerは腐ってる?

ネットやSNSでSIerの評判を調べていると、SIerは「腐ってる」というネガティブな意見を目にすることがあります。

実際にSIerで働いている筆者から見れば、それは言い過ぎです。
実態をしっかり理解してキャリアを検討すべきだと思います。

この記事では、SIerは腐ってると言われる理由にはじまり、SIerで働くメリット・デメリットなどをまとめて解説します。

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この記事でわかること
  • SIerには「古い企業文化」「失敗を許容しない風土」「ムダな会議」など、腐ってると言われてしまう側面が一部存在する
  • 一方で、「高収入」「手厚い福利厚生」「ノウハウが体系化されている」など魅力的な面もある
  • SIerの仕事には「長時間労働」「上流工程への偏り」「過度な承認プロセス」などのデメリットがあるが、幅広いスキルとキャリアパスが用意されている
  • SIerで働くことが向いている人の特徴は「論理的思考力」「コミュニケーション能力」「ストレス耐性」などが挙げられる
目次

結論|SIer「腐ってる」は言い過ぎ。特徴を理解しよう

ネット上でSIerに対するネガティブな意見を目にすることがありますが、実際にSIerで働いている私から見れば、それは言い過ぎだと感じています。

SIerには長所と短所の両面があり、一概に決めつけるべきではありません。

SIerで働くメリットとしては、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • IT業界の中でも高水準な給与が期待できる
  • 労働環境や福利厚生が手厚く整備されている
  • 元請けとして上流工程の経験を積めるため幅広いスキルが身につく

一方で、デメリットも存在します。

  • 長時間労働が多い
  • システム開発の実務スキルの習得が難しい
  • プロジェクトの進捗に対する過度なプレッシャーがかかる

このように、SIerには一長一短があります。

SIerに向いている人の特徴として、「論理的思考力がある」「コミュニケーション能力に長ける」「ストレス耐性が高い」などが挙げられます。

しかし、中にはSIerは自分に合わないと感じる人もいるかもしれません。
その場合は、自社開発やITコンサルティングなど、SIer以外の選択肢も幅広く検討し、自分の目標に沿った仕事を見つけることが重要です。

つまり、ネット上の「SIerは腐ってる」といった一般化された意見に惑わされず、SIerの実態とメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、冷静に自分に合ったキャリアを選ぶことが肝心だとお伝えしたいです。

次の章で、まずはSIerは「腐ってる」と言われる理由を見ていきましょう。

SIerは「腐ってる」と言われる6つの理由

SIer「やめとけ」「腐ってる」と言われるおもな理由は、以下の6つです。

  • 現場のことがわからない上層部や高齢社員の対応に時間を取られる
  • 「やったもん負け」の失敗を評価しない組織風土
  • 技術的なスキルが身につかない環境
  • 非効率なワークスタイル
  • ムダの多い会議
  • 古い価値観で変化への対応が遅れがち

それぞれ解説します。

現場のことがわからない上層部や高齢社員の対応に時間を取られる

上層部や年配の従業員は、同じ役職や立場に長年ついていることで、その職務に関する経験と知識は豊富です。
しかしその一方で、プロジェクト現場から離れていると、最新技術やシステムに関する知識や現場感が十分でない場合があります。

プロジェクトの規模が大きくなると、それにともない、多くの関係者や上司の承認を得ることが必要です。
現場の若手や中堅社員は、上層部への状況説明のための資料作成に時間を取られ、実際の作業に費やせる時間が減少します。
結果として、残業が増え疲弊していく人も出てきます。

社内向け報告や事務作業に追われ続けると、最終的には仕事に熱意が持てなくなり、やる気を失ってしまうこともあるのです。

「やったもん負け」の失敗を評価しない組織風土

一部のSIerには、新しいことにチャレンジして失敗すると責任を問われたり、降格や減給などのペナルティを受ける「やったもん負け」の風土が残っている場合があります。

このような風土が蔓延すると、積極的に新しいことに挑戦するより、従来の確立された手法でそつなくこなす方が得策だと考える人が増えてしまいます。

実際に、難しいプロジェクトや責任が問われる仕事を避け続けて、昇進している人がいることも事実です。

そもそも「やったもん負け」とはどのようなことかと言うと、新しい試みに挑戦して失敗すると、かえって不利益を被るという状況を指します。
失敗は成長の種となる貴重な経験ですが、そうした姿勢が評価されず、かえって制裁を受けてしまうのです。

こうした組織風土が続けば、社員はリスクを恐れて新しいチャレンジから遠ざかり、イノベーションは起こりにくくなります。
さらに、挑戦心を持った人材が育ちにくくなるため、長期的には組織の活力も失われかねません。

技術的なスキルが身につかない環境

SIer企業は、ITシステムの提案から設計〜開発〜運用までを一手に担う会社ですが、実際には技術的なスキルが身につきにくいことも事実です。

その理由が、SIer業界特有の多重下請け構造にあります。

SIerの多重下請け構造

多重下請け構造では、SIer企業がプロジェクト管理や顧客対応、システム要件定義や設計をおもに行い、実際の開発作業は下請け企業に委託されます。
その結果、SIer社員が直接的な実装経験を積む機会が限られてしまうのです。

最新の技術やプログラミング言語を用いた開発現場から遠ざけられるため、技術的な深みや専門性を高めることが難しくなります。
とくに若手社員は、即戦力とならないために事務作業を割り当てられがちで、技術を身につける機会がさらに少なくなります。

結果として、技術力を身につけて手に職をつけたい人にとって、SIer企業はモチベーションを維持しづらい環境なのです。

非効率なワークスタイル

SIerでは、意思決定に際して上司や関連部署の承認が必要とされることが多く、単純なタスクでさえも承認を得るために多くの時間を要してしまいます。

リスク管理や品質保証の観点から、一定の承認プロセスを設けることは重要ではありますが、SIerでは過剰なチェックが行われがちです。
労力とその効果を適切に見極め、本当に必要なプロセスなのかを判断する仕組みが欠けているためです。

結果として、プロセス自体を省略することができず、単純作業でさえ承認取得に時間を費やす非効率なワークスタイルが生まれてしまっています。

本来であれば、ユーザーにとって価値あるシステムを開発するための本質的な作業に時間を割くべきですが、承認目的の作業が増えすぎてしまうと、そのようなユーザー視点が疎かになりがちです。

ムダの多い会議

プロジェクトを円滑に進めるためには、チーム間での密なコミュニケーションが不可欠です。
そのため、SIerでは頻繁に会議を開催されています。

しかし、中には「とにかく集まろう」という姿勢で開かれ、一方的な情報伝達のみになってしまう非生産的な会議も少なくありません。
会議の目的が不明確なまま、関係のない情報が共有されたり、結論が出ずに終わったりするケースです。

参加者からすれば、その会議に自分が出席する意味がわからなくなり、単なる時間とリソースのムダ遣いと映ってしまいます。
目的を持たず、何も決められない会議は本来のコミュニケーションの機会を無駄にしてしまう結果となります。

このように、非効率な会議運営は生産性を著しく低下させる一因です。
会議の目的と参加者を明確化し、議論する内容を整理するなど会議の質を高める工夫は、チームの士気低下やムダなリソース消費を防ぐためにも必須と言えるでしょう。

古い価値観で変化への対応が遅れがち

SIerには、長年に渡ってつちかわれた価値観が残っていることがありがちです。
この古い価値観は、変化の速い技術革新に素早く対応することを難しくする可能性があります。

一部のSIerでは、新しい技術やアプローチのメリットを優先して取り入れるよりも、長い間使われてきた技術やスキルセットに頼る傾向が顕著です。
これは不具合などのリスクを回避するためですが、短期的には安定した業務運営が可能な一方で、長期的には競争力の低下につながる恐れがあります。

競争力が低下すると、顧客が離れ、優秀な人材の確保も難しくなります。
時代の変化に合わせてみずからを進化させていくことが重要です。
そのためには、新しい技術動向を常に把握し、柔軟な体制とマインドセットを持つ必要があります。

以上が、SIerは腐っていると言われてしまうおもな要因です。

これらはSIer業界における一般的な問題点で、すべてのSIer企業に必ず当てはまることではありません。
しかし転職や就職活動を考える際には、このような傾向があることを理解した上で、自分に合った企業選びが重要です。

次では、SIerで働くうえでのメリット・デメリットを見ていきましょう。

SIerで働く4つのメリット

ネガティブな意見があるSIerですが、働くメリットもあります。

  • IT業界の中でも高水準な給与
  • 労働環境や福利厚生が整っている
  • 元請け・商流が浅いため上流工程の経験ができる
  • ノウハウが体系化されている

ひとつずつ見ていきましょう。

IT業界の中でも高水準な給与

SIer企業は、IT業界の中でも比較的高収入であることが特徴のひとつです。

SIer企業は、大手企業を中心にさまざまな業種の大規模システムの構築を請け負っています。
プロジェクトの規模が大きいため、それに見合った高い予算が付与されることが多く、そのような環境下で働くSIerエンジニアの給与水準も高くなる傾向にあります。

また、高度な技術スキルと十分な実務経験が求められるため、そうしたスキルや経験を持つ人材を確保するためにも、他社に比べて手厚い処遇が提示されるのが一般的です。

SIerの平均年収はIT業界のほかの企業よりも高水準にあります。
当メディアが大手SIerの年収を調査したところ、平均年収は802万円でした。

参考までに、求人ボックスによるとシステムエンジニア全体の平均年収は496万円であるため、大手SIerの平均年収はIT業界の中でも高年収であることがわかります。

参考:SIerの残業が少ないホワイト企業ランキング
参考:システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス

労働環境や福利厚生が整っている

大手SIerでは、従業員に対して手厚い労働環境と福利厚生を提供していることが大きな魅力です。

現在はフレックスタイム制やリモートワーク制度など、柔軟な働き方を認める制度が整備されている企業も多いです。

実際に、私自身もフルリモートでフレックス勤務を行っており、育児中のため時短勤務制度も利用しています。
とくに子育て中の社員にとって、こうした制度は大きなメリットとなります。

学校行事や子どもの体調不良で急な対応が必要な場合でも、職場で融通が利かせられる環境があるからこそ、仕事と育児の両立が可能です。
このように、給与面での待遇だけでなく、ライフイベントに合わせた働き方への配慮があることが、大手SIer企業の大きな強みです。

経済的安定と福利厚生などの支援による労働環境の良さがあるからこそ、長期的にモチベーション高く働き続けられます。

元請け・商流が浅いため上流工程の経験ができる

SIerで働くメリットのひとつに、元請けや商流が浅いために上流工程の経験が積めるという点があります。

元請けとしてプロジェクトに参加することで、要件定義やシステム設計などの上流工程に携わる機会が多いです。
また、上流工程から関わることで、プロジェクト全体のビジョンや目標を把握しやすくなります。
さらに商流が浅いため、クライアントと直接コミュニケーションを取りながらニーズを深く理解し、それに応じた商談の経験を積めます。

このような経験は、技術者としての視野を広げ、キャリアアップにも有効です。

ただし上流工程に携わるためには、高い問題解決能力が求められるため、システムに関するスキルだけでなくビジネススキルを磨くことも重要です。
また、元請けとしての責任も大きくなるため、そのプレッシャーに耐えられるかどうかも考慮する必要があります。

ノウハウが体系化されている

SIerは長い歴史と多くの技術者を擁しているため、これまで数多くのプロジェクトを手がけてきた中で蓄積されたノウハウが社内に残されています。
そのノウハウが体系立てて整理されているため、スキルを効率良く学ぶことが可能です。

具体的には、過去の要件定義書や設計書、ソースコードなどの資産が社内に残されているだけでなく、それらが適切にドキュメント化されてナレッジデータベースとして体系化されています。
新人研修などでもこのようなナレッジが活用され、効果的に知識が継承されます。

また、上級者からの技術指導や知識の引き継ぎなども制度化されており、ベテラン社員の経験を活かしたメンタリングを受けられる制度が運用されていることもめずらしくありません。

このように組織としてのノウハウ体系化と人的資源の活用により、若手がスキルを着実に高められる仕組みが整備されているのがメリットです。

社内に蓄積された豊富なナレッジと知識伝承の機会に恵まれた環境で、計画的にスキルアップできることがSIerで働く大きな強みと言えるでしょう。

ここまではSIerで働くメリットを見てきました。
次では、デメリットも見てみましょう。

SIerで働く3つのデメリット

SIerで働くデメリットは、以下が挙げられます。

  • 長時間労働が多い
  • システム開発の実務的なスキル習得は難しい
  • プロジェクトの進捗に対するプレッシャーが大きい

それぞれ見ていきましょう。

長時間労働が多い

SIerではプロジェクトの納期に間に合わせるために、長時間労働が発生することがあります。
これは、クライアントの要求が厳しい場合や、プロジェクトのスケジュールが遅れている場合にとくに顕著です。

以前、別の記事でSIerの残業時間をリサーチしたところ、25社の平均が30.5時間でした。
一方、厚生労働省の統計では、国内一般労働者の平均残業時間は12.9時間と報告されており、SIerは長時間労働の傾向があります。

SIerの残業時間は、以下の記事でくわしく解説しているので興味がある方は読んでみてください。

システム開発の実務的なスキル習得は難しい

SIerでの業務は上流工程に比重が置かれ、実際の実装・コーディングを任される機会は限られています。
その結果、プログラミングや最新技術の実践的なスキルを十分に身につけづらい環境です。

SIerで身につけられるスキルと、身につきにくいスキルは、以下の記事で解説しているので興味がある方は読んでみてください。

プロジェクトの進捗に対するプレッシャーが大きい

SIer企業の収益は顧客からの受注に依存しているため、プロジェクト進捗の遅延は重大な問題となります。
そのため、極端なスケジュール管理や無理なコスト削減要求など、過大なプレッシャーがかかることがあるのも事実です。
進捗遅延は企業の収支を直撃するため、常に高い緊張感が求められます。

このように、SIer企業での就労は魅力的な面もありますが、長時間労働や実務スキル習得の難しさ、過大なプロジェクト圧力など多くの課題も抱えています。
メリット・デメリット双方を踏まえた上で、キャリアを検討することが大切です。

次では、SIerで得られるスキルやキャリアを見ていきましょう。

SIerで目指せるスキルアップやキャリアアップ

SIerで働くことで身につけられるスキルや、目指せるキャリアの選択肢をそれぞれ見ていきましょう。

[SIerで目指せるスキルアップ]
SIerでメインで磨けるスキルは以下の3つです。

  • プロジェクトマネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 問題解決スキル

プロジェクトマネジメントスキル

SIerの業務では、期限と予算の中で高品質のシステムを構築するためのプロジェクト管理が欠かせません。
工程管理・リスク管理・リソース配分など、プロジェクトを円滑に推進する上で必要不可欠なスキルが身につきます。

コミュニケーションスキル

要件定義から設計、テストまでさまざまな関係者と協働するため、わかりやすい説明力や的確な質疑応答力が不可欠です。
プロジェクトを通じて、ステークホルダーとのコミュニケーション能力を高められます。

問題解決スキル

プロジェクトは、さまざまな問題や課題に直面するため、その度に、論理的思考で原因を分析し解決策を見出す力が磨かれていきます。
問題を定義する力と、問題を解決する力の両方が磨かれていくでしょう。

[SIerで目指せるキャリアアップ]
キャリアアップの代表例として、以下の5つが挙げられます。

  • プロジェクトマネージャー
  • PMO(プロジェクト推進室)
  • ITアーキテクト
  • ITコンサルタント
  • SIer営業

プロジェクトマネージャー

プロジェクト管理の経験を積み上げることで、プロジェクトマネージャーとして全体を統括するポジションの選択肢があります。

PMO(プロジェクト推進室)

組織横断的なプロジェクトマネジメント支援を担う部署で、PMスキルの専門性を駆使し、組織に価値提供するポジションです。

ITアーキテクト

システム全体の設計・構築を統括するアーキテクト職は、深い技術力と俯瞰力が必要不可欠です。

ITコンサルタント

SIerの経験を活かし、顧客企業の課題解決のためのITコンサルティングに携わることも可能です。

SIer営業

プロジェクト経験を基にSIerのソリューションを提案する営業職も選択肢のひとつです。

このように、SIerでは多様なスキルとキャリアパスが用意されており、適性と希望に合わせた道を歩むことができます。

これらのスキルやキャリアパスは、SIerでの経験を通じて、個人の専門性を高め、より高いレベルの職務に挑戦するためのベースを築けます。

次の章で、SIerに向いている人の特徴を見ていきましょう。

SIerで働くことが向いている人の4つの特徴

以下に、SIerで働くことが向いている人の特徴を4つにしぼって紹介します。

  • ストレス耐性がある
  • 論理的思考が得意
  • コミュニケーション力に自信がある
  • 学習意欲や知的好奇心が高い

それぞれ解説します。

ストレス耐性がある

SIerの仕事は、厳しい納期や複雑な要求に直面することが多く、ストレス耐性が必要不可欠です。
プレッシャーの中でも冷静に対処できる人は、SIerで問題なくやっていけるでしょう。

論理的思考が得意

問題解決には論理的思考が重要です。
システムの設計やトラブルシューティングにおいて、論理的に物事を考え、効率的な解決策を見つける能力がある人はSIerに向いています。

コミュニケーション力に自信がある

クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションは、プロジェクトを円滑に進める上で大切です。
明確で効果的なコミュニケーションができる人は、SIerでの仕事において大きな強みとなります。

学習意欲や知的好奇心が高い

IT業界は常に進んでおり、新しい技術や知識を学ぶ必要があります。
学習意欲が高く、新しいことに対する知的好奇心を持っている人は、SIerでのキャリアを充実させることができるでしょう。

これらの特徴を持つ人は、SIerでの仕事において高い適性を持っていると言えます。
また、これらの特徴は、SIerでの仕事を通じてさらに磨けます。
自分がこれらの特徴に当てはまるかどうかを考えながら、SIerでのキャリアを検討すると良いでしょう。

ここまでの解説で、SIerもいいけど、SIer以外の選択肢も検討したいと感じた方もいらっしゃるでしょうか。
次では、SIer以外の選択肢を解説します。

SIer以外の選択肢は?自社開発・ITコン・SES企業などさまざま

自分が働きたいのはSIerではないかも。と感じている人は、SIer以外の選択肢も含めて検討すると良いでしょう。
SIer以外の選択肢としては、以下が挙げられます。

  • 自社開発企業
  • ITコンサルティングファーム
  • SES企業
  • 事業会社の社内SE

それぞれ見ていきましょう。

自社開発企業

自社開発は、企業がみずからの製品やサービスの開発を行う企業のことです。
自社のビジョンに沿って製品を作り上げるため、クリエイティビティや製品への愛着を感じやすい環境が比較的多いです。
また、一貫したチームで長期的なプロジェクトに取り組むことが多く、技術の深化や専門性の向上が期待できます。

ITコンサルティングファーム

ITコンサルティングファームでは、クライアントのビジネス課題を解決するための戦略立案やシステム導入の支援を行います。
戦略的思考や高いコミュニケーション能力が求められ、多様な業界やビジネスモデルに触れることができるため、幅広い知識と経験を積めるでしょう。

SES企業

SES(システムエンジニアリングサービス)企業は、クライアント企業にエンジニアを派遣し、システム開発や運用を支援します。
多くのプロジェクトに参加する機会があり、幅広く実務経験を詰めますが、客先常駐が多いため自己管理能力が重要です。

以下の記事では、SIerとSESの違いや特徴を解説しているので、興味がある人は読んでみてください。

事業会社の社内SE

事業会社の社内SEは、その企業の内部システムの開発や運用を担当します。
社内のIT環境を深く理解し、業務の効率化やシステムの最適化に貢献できます。
また、社内ユーザーとの距離が近いため、直接的なフィードバックを得やすい環境です。

以下の記事では、SIerから転職する際のおもな選択肢を解説しています。
SIer以外の選択肢の解説としても参考になるので、興味がある方は読んでみてください。

IT転職ならレバテックキャリアがおすすめ

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  • ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1(日本マーケティングリサーチ機構調べ 2021年1月期_サービスの比較印象調査)

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まとめ|SIerは腐ってると言われる背景を理解し自分に合ったキャリアプランを

この記事から、以下のことがわかりました。

  • SIerには「古い企業文化」「失敗を許容しない風土」「ムダな会議」など、腐ってると言われてしまう側面が一部存在する
  • 一方で、「高収入」「手厚い福利厚生」「ノウハウが体系化されている」など魅力的な面もある
  • SIerの仕事には「長時間労働」「上流工程への偏り」「過度な承認プロセス」などのデメリットがあるが、幅広いスキルとキャリアパスが用意されている
  • SIerで働くことが向いている人の特徴は「論理的思考力」「コミュニケーション能力」「ストレス耐性」などが挙げられる

SIer業界は、一部に問題を抱えているかもしれませんが、「腐ってる」と一括りにするのは言い過ぎです。
オープンなスタンスで情報収集し、プラスマイナスを踏まえた上で、自分に最適なキャリアプランを立案することをおすすめします。

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この記事を書いた人

国内大手SIerに新卒入社し、現在もプロジェクトマネージャーとして働いています。
自社製品開発・受託開発、企画〜開発〜運用保守まで幅広く経験してきました。
ワーママとして日々忙しく働きながらも、なんとか充実した生活を送れています。
実際に働いているからこそわかるリアルな情報や、私自身が転職活動を通じて得たIT業界の知識をわかりやすく発信していきます。

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