SIerではプログラミングができないと聞いて、手に職をつけられないのか不安に思っていないでしょうか。
結論として、プログラミングができるエンジニアが理想ですが、プログラミングができなくてもほかの価値を提供することでSIerでのキャリアを築けます。
この記事では、大手SIerで14年のキャリアがある筆者が、SIerはプログラミングできないと言われる理由にはじまり、プログラミングができなくても活躍できるSIerエンジニアの特徴などをまとめて解説します。
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- SIerではプログラミングできないと言われる理由は多重下請け構造によるもので、SIerは上流工程を担当する役割であるため
- プログラミングができなくても活躍できるSIerエンジニアの特徴は「プロジェクトマネジメントスキルが高い」「問題解決能力がある」「業務知識が豊富」など
- プログラミングができないSIerエンジニアの代表的なキャリアパスは「自社のマネージャー」「社内SEへ転職」「ITコンサルタントへキャリアチェンジ」「フリーランスのPM/PMOとして独立」など
結論|SIerではプログラミングできない人でもやっていける
結論として、SIerではプログラミングできない人でも、ほかのスキルを活かして貢献できます。
SIer(システムインテグレーター)は、顧客の要求に応じて、さまざまな情報システムの設計や構築、運用を行う企業です。
SIerが手がける分野でプログラミング実装スキルは重要ですが、それだけがすべてではありません。
SIerで活躍するためには、ビジネススキルやコミュニケーション能力、プロジェクト管理能力など、幅広いスキルが求められます。
実際に筆者はSIerに新卒入社して14年になりますが、プログラミングスキルは高くありませんがやっていけています。
入社して4〜5年は開発作業に携わっていたので、プログラミングができないというわけではありませんが、決してスキルが高いとは言えません。
また、同じくSIerで13年勤務した夫も、プログラミングスキルは高くありません。
夫の場合は、ほとんど開発作業に携わって来なかったので、筆者以上にプログラミングスキルが高くないでしょう。
それでも、SIerで勤めたキャリアでは活躍できていました。
プログラミングができるエンジニアが理想ですが、プログラミングができなくても、ほかの価値を提供することでSIerでのキャリアを築けます。
SIerではプログラミングできないと言われる理由は多重下請け構造
SIerの役割は、顧客の要求を正確に把握し、それをシステムの仕様に落とし込む上流工程に集中しています。
具体的には、「プロジェクト管理」「要件定義」「外部設計」などがメイン業務です。
プロジェクト管理では、プロジェクトの進行状況を監視し、リソースの配分・スケジュールの管理・リスクの評価といった業務を行います。
要件定義は、顧客のビジネスニーズを深く理解し、それをシステム要件として明確にする作業です。
外部設計では、システムの全体構造を設計し、どのようにシステムが機能するかの大枠を決定します。
これらの上流工程は、プロジェクトの方向性を決定する重要な役割を担っていますが、実際のコーディングやシステムの実装には直接関わりません。
実装作業は、多くの場合、二次請け以降の企業が担当することが一般的です。
この多重下請け構造により、SIerのエンジニアは、プログラミングよりもプロジェクトの全体像を見る能力や、顧客とのコミュニケーション能力が求められます。
この構造が、SIerのエンジニアがプログラミングスキルを身につけにくいと言われる理由のひとつです。
プログラミング作業がメインではないため、日々の業務を通じてプログラミングスキルを磨く機会が少ないのです。
しかし、これはSIerがプログラミングを必要としないという意味ではありません。
プロジェクトの要件に応じて、プログラミングスキルが必要となる場合もありますし、技術的な知識がプロジェクトをより良く進めるための重要な要素となることもあります。
プログラミングができなくても優秀なSIerエンジニアの5つの特徴
プログラミングが得意でない場合でも、以下の5つの特徴を持つことで、優秀なSIerエンジニアとして活躍できます。
- プロジェクトマネジメントのスキルが高い
- 問題解決能力がある
- 業務知識が豊富
- コミュニケーション能力が高い
- 健康で体が強い
プロジェクトマネジメントのスキルが高い
SIerのエンジニアは、プロジェクトを効率的に管理し、目標達成に導くための高いプロジェクトマネジメントスキルを持っています。
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーの立場だと、コードまで見て実装レベルで作用するほぼありません。
プロジェクトマネジメントのスキルが高い人が活躍できます。
問題解決能力がある
優秀なSIerエンジニアは、複雑な問題に直面した際に、論理的かつ創造的なアプローチで解決策を見出す能力を持っています。
プロジェクトでは常に進行の問題や技術的な問題が発生するので、論理的に状況を整理して問題解決するスキルは、プロジェクトの成功に不可欠です。
業務知識が豊富
活躍するSIerエンジニアは、特定の業界やビジネスプロセスに関する深い知識を持ち、それを活用して顧客のニーズに合ったシステムを設計できます。
この知識は、技術的なスキルと同様に価値が高いです。
コミュニケーション能力が高い
プロジェクトの成功には、チーム内外の関係者との効果的なコミュニケーションが不可欠です。
優秀なSIerエンジニアは、明確で効率的なコミュニケーションを通じて、プロジェクトを推進します。
健康で体が強い
SIerエンジニアに限らずすべてのビジネスパーソンに重要な基本的なことですが、健康で体力があることも非常に重要です。
長時間の業務やストレスが多い環境で働くためには、体調を整え、持続的なパフォーマンスを維持することが求められます。
これらの特徴は、プログラミングスキルがない場合でも、SIerエンジニアとして価値を提供し、チームやプロジェクトに貢献するために重要です。
プログラミングスキルを持っていることは有利ですが、それだけがすべてではありません。
多様なスキルと特性を持つエンジニアが、SIerのチームにとって貴重な存在となります。
次の章では、プログラミングができないSIerエンジニアにはどのような選択肢があるのか、その代表的なキャリアパスを見ていきましょう。
プログラミングができないSIerエンジニアのキャリアパス4選
プログラミングができないSIerエンジニアの代表的なキャリアパスとして、以下の4つを紹介します。
- 自社のマネージャーに昇進
- 事業会社の社内SEへ転職
- ITコンサルタントへキャリアチェンジ
- フリーランスのPM/PMOとして独立
自社のマネージャーに昇進
プログラミングスキル以外にも、プロジェクト管理やチームリーダーシップ、顧客との交渉など、マネジメントに必要なスキルを身につけることで自社内でのマネージャーへの昇進への道がひらける可能性があります。
マネージャーのポジションでは、チームを牽引して成功を導くための戦略的な意思決定が求められます。
事業会社の社内SEへ転職
事業会社の社内SEとして転職することもひとつの選択肢です。
社内SEは、企業内のITシステムの運用や改善を担当し、ビジネスとITの橋渡しをする役割を果たします。
プログラミングよりも、システム全体を理解し、運用面での改善を図る能力が重視されます。
ITコンサルタントへキャリアチェンジ
ITコンサルタントとしてのキャリアチェンジもひとつのキャリアパスです。
ITコンサルタントは、クライアント企業のビジネス課題を解決するためのIT戦略を提案します。
この職種では、深い業界知識や分析スキル、戦略立案能力が求められプログラミングスキルは直接的な業務には関わりません。
求められる成果は大きく激務である一方で、相応に高年収(年収1,000万円以上はめずらしくない)な職種です。
フリーランスのPM/PMOとして独立
プロジェクトマネージャーやPMO(プロジェクトマネージメントオフィス)としてフリーランスで独立する道もあります。
フリーランスのPM/PMOは、複数のクライアントのプロジェクトを管理し、その成功を支援します。
プロジェクトの計画、実行、監視、終結といった一連のプロセスを熟知していることが重要です。
これらのキャリアパスは、プログラミングスキルが不得意なSIerエンジニアにとって、新たな可能性をひらくものです。
プログラミング能力だけがエンジニアの価値を決定づけるわけではなく、多様なスキルと経験を活かして、幅広いキャリアを築けます。
重要なのは、自身の強みを理解し、それを活かせるキャリアパスを見つけることです。
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まとめ|プログラミングできるエンジニアが理想。でもできなくてもOK
この記事では、以下のことがわかりました。
- SIerではプログラミングできないと言われる理由は多重下請け構造によるもので、SIerは上流工程を担当する役割であるため
- プログラミングができなくても活躍できるSIerエンジニアの特徴は「プロジェクトマネジメントスキルが高い」「問題解決能力がある」「業務知識が豊富」など
- プログラミングができないSIerエンジニアの代表的なキャリアパスは「自社のマネージャー」「社内SEへ転職」「ITコンサルタントへキャリアチェンジ」「フリーランスのPM/PMOとして独立」など
プログラミングできるエンジニアが理想ではありますが、できなくてもほかのスキルで貢献し、SIerでのキャリアを築けます。
重要なのは、自分の強みを理解し、それを活かせる場を見つけ、継続的にスキルを磨いていくことです。
プログラミングスキルはひとつの武器に過ぎず、多様なスキルセットを持つことが、SIerエンジニアとしての成功に繋がります。