女性エンジニアは結婚後も続けられる?家庭もチーム。夫婦で柔軟な働き方を

「ITエンジニアって結婚した後も続けることができるのかな」

毎日忙しく働いていると不安に思うこともありますよね。

私はITエンジニアを13年続けていて今は3人の子育てもしています。

ライフステージが変わるたびに辞めるべきか思い悩んできましたが、夫婦で悩みながら働き方を柔軟に変えていくことで乗りこえてきました。

ITエンジニアを続けていくことを不安に思っている女性に向けて、無理することなく働く選択肢を知っていただきたいです。

この記事では、ライフステージの壁に悩みながらなんとかITエンジニアを続けてきた私の経験をお伝えします。

特に子どもが生まれると価値観が変わって働き方も考えないといけませんでした…

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目次

この記事の筆者|きなこ

  • 現役のプロジェクトマネージャー
  • 国内大手Sier勤務(2022年売上ベース国内最上位)。13年目
  • 3児のママ
  • 30代半ば  

【結論】女性エンジニアは結婚後も働き続けることはできる。無理しすぎない働き方を選ぼう

《この記事の結論》

  • 子どもが多くなるにつれて共働きは体力の限界にたどり着く。
  • 女性ITエンジニアが働き方を見直すタイミングは「子育て」。
  • 女性ITエンジニアは働き方の選択肢が結構ある。無理しすぎない働き方を選ぼう。
  • 家庭もチーム。働き方は、女性だけでなく男性も含めて考えよう。

筆者のこれまでの歩み

自分語りで恐縮なのですが、まず筆者についてご紹介しますね。

大手Sierに入社し地方から東京へ

地方国立大(理系)から運良く国内大手Sierに入社しました。大学で情報系を専攻していたわけではなく不安もありましたが、手に職をつけたいとの想いでIT業界へ飛び込みました。

ずっと地方暮らしだったのですが、入社後の勤務地は東京になり環境としては気にいってました。

仕事に追われる日々

入社後3ヶ月の研修を経て配属されるのですが、配属直後から激務に追われることになりました。

新人は即戦力にならないと聞いていたので忙しくないと思っていたのですが、そんなことはなくて毎日確実に22時ごろまでは働いていたことを覚えています。

社会人になったら買い物をしたり、美味しいものを食べたり、旅行に行ったり。という暮らしを夢見ていましたがそんな幻想は配属後すぐに消え去りました。

平日は帰宅後、即シャワーを浴びてベッドに倒れ込みそして翌日。休日は出勤しているか、平日の疲れをとるために家から出ずにゴロゴロしたり掃除をして過ごす。

仕事に人生を捧げるような生活をしていました。それでも、少しずつできることが増えていったり、自分で働いて得た給料で好きなものを買えたりしてそれなりに充実した生活を送っていました。

同僚と結婚

入社して2年が経過した後、同僚と結婚しました。ITエンジニアはITエンジニア同士で結婚することが多いと聞きますが私もそのパターンです。

一般的に忙しいと言われる職種なので、出会いが職場に限定されてしまったり、同じような価値観じゃないとやっていけないような仕事なのかもしれませんね。

地方へ転勤

結婚して2年ほどが経ったころ、そろそろ地方で暮らしたいな。と感じてきたタイミングで夫と一緒に転勤希望を出し、運良く夫婦ともに生まれ育った地方に転勤が叶いました(夫とは就職して出会いましたが出身地方が一緒なのです)。

転勤後に、三人の子どもに恵まれました。

結婚しても、子どもが生まれても、共働きを続ける理由

三人の子育てをしながら共働き(夫婦ともにITエンジニア)。

このころの我が家は忙しすぎて大変なことになっていました。起きている時間のほぼ全てを仕事と家事育児に費やしていました。平日だけでなく休日もです。

もちろん自分時間なんて皆無で、この状況が延々と続いていきます。

そもそも、なぜ夫婦ともにSierで共働きしてるか

忙しい日々に追われていると、夫が「生きていくのってこんなに大変なのか。おれらってなんで忙しい仕事で共働きしてるんだろうな」とつぶやきました。

現状のまま共働きしている理由は、
リスクヘッジ(どちらかの収入が途絶えても良いように備える)
収入が多い
くらいしか思いつきませんでした。

「リスクヘッジ」であれば、まず夫婦同じ会社で働いていることにリスク対策を行うべきです。

「収入が多い」については、そもそもなぜそんなに多くの収入が必要なのでしょうか。多くの収入が必要な目標など私たちにはなく、しかも我が家は同じような家族構成の世帯と比較してもかなり倹約家です。夫婦どちらか一方の給与で生活できるほどです。

立ち止まってみると、私たちはライフステージが変わっても「なんとなく続けている」から自ら苦しい生活をしているということに気づきました。

家庭と仕事の両立はとてもハードルは高いです。バランスをうまく取って自己管理をしっかりと行う必要があります。

働き方を見直す必要性のあるライフイベントやタイミング

女性が働き方を見直すタイミング

一般的に、女性が働き方を見直すタイミングは以下です。

結婚
家庭内の役割分担として、夫が稼いで主に妻が家庭に入るという分担を選択している方は結婚を機に働き方を見直します。

出産
出産後は、育児と仕事の両立が求められます。産前産後休暇や育児休暇、時短勤務制度など、会社が提供する制度を上手に活用することが重要です。

育児期
育児期には、子どもの急な病気や学校行事などで急な欠勤が発生することがあります。仕事との両立が難しい場合は、時短勤務やフレックスタイムなどの働き方が有効です。

子どもの進学や就職
子どもが進学や就職する際には、それに合わせて引っ越しや転職を検討する方もいます。子どものライフステージに合わせた働き方を選択することが大切です。

夫の転勤
パートナーの転勤により、働き方を見直す方もいます。ITエンジニアはわりと転職のハードルが低いので、夫の転勤先に合わせて転職する方も結構いました。

自身のキャリアアップやスキルアップ
自身のキャリアアップやスキルアップのために、転職や転勤を検討することもあります。

家族の介護や病気
家族の介護や病気は、女性ITエンジニアにとっても大きな負担となることがあります。介護や病気を抱える家族のケアや通院、入院などで仕事との両立が難しくなるため、仕事を辞めざるを得なくなる場合もあります。企業によっては、家族介護休暇制度や介護休暇制度が設けられている場合があります。

仕事を辞めることのデメリットやリスク

働き方を見直すうえで、仕事を辞めて専業主婦になるという選択肢もあります。

仕事を辞めることによるデメリットやリスクは、経済的な不安やキャリアアップの停滞などがあります。また、再就職が難しくなる可能性もあります。さらに、長期的には退職金や年金などの収入が減少することも考えられます。

一方で、仕事を辞めることによって、家庭との時間を大切に過ごすことができるなどのメリットもあります。女性が仕事を辞めることを考える場合には、デメリットやリスクとメリットをバランスよく考慮することが大切です。

子育てしながら働く女性ITエンジニアのストレスや負担

子育てしている女性ITエンジニアの大変さとは

ITエンジニアという仕事は女性だからといって特に男性と扱いが変わるわけではありません。

ただ、子育てでは「保育園の送迎」「保育園からの急な呼び出し」「長時間の残業ができない」「自分時間が無く体調管理が難しい」という大変さがあります。

私の標準的な一日を記事にまとめていますので、興味ある方は読んでみてくださいね。
仕事と子育ての両立(一日の流れ)

私の周囲の女性ITエンジニアが働き方を見直すタイミングは「子育て」

結婚を機に退社した女性ITエンジニアは、私の会社では知る限り一人もいません。今は専業主婦世帯より共働き世帯が多いので寿退社は珍しくなっています。

参考:今は共働き世帯の割合は約7割(66.2%)です。
厚生労働省ー令和2年版厚生労働白書より

女性のITエンジニアは、結婚して退社する。というより、子どもが生まれたことを機に働き方を見直す人が多いです。

ストレスや負担を軽減する方法

子育てと仕事の両立においては、ストレスや負担を軽減するための工夫が必要です。

例えば、仕事の時間を調整し、早退や遅刻を許容する企業や部署を選ぶことができる場合は柔軟な働き方ができます。

また、育児や家事を分担することで、家族全員で協力し合うことも大切です。保育園や学校の先生や、親戚や友人に頼ることもストレスを軽減する方法の一つです。

仕事とプライベートの両立に役立つ具体的なアドバイスや働き方改革の取り組み

仕事とプライベートを両立するアドバイス

仕事とプライベートの両立は、働く女性にとって大きな課題です。

まずは自分の優先順位を明確にしましょう。家族や趣味など自分にとって大切なものをしっかりと把握して、それぞれに必要な時間やリソースを割り当てることが大切です。自分の時間や休息も大切にしましょう。

また、仕事と家庭の両立においては、相手とのコミュニケーションが欠かせません。家族や上司、同僚などに自分の状況やニーズをきちんと伝えて協力してもらうことが大切です。柔軟な働き方の提案やサポート体制の整備など、職場の取り組みも積極的に活用しましょう。

さらに、仕事とプライベートを分けることも大切です。仕事が終わったら、仕事に関することを一旦忘れて、自分の趣味や家族との時間に集中しましょう。プライベートの時間は意識的に仕事に関することを考えないようにすることで、心身ともにリフレッシュすることができます。

自分自身を過剰に追い込まないことも大切です。完璧を求めるあまり自分を追い詰めてしまうことは避けましょう。時間管理やプライベートの時間を確保することは大切ですが、自分のペースで進めることが、ストレスを軽減するためにも大切です。

働き方改革の取り組み

ここ数年、特にIT業界では従業員の働き方改革に力を入れていて、女性ITエンジニアにとっても働きやすい環境づくりが進んでいます。

例えば、テレワークやフレックスタイム、時短勤務など、柔軟な働き方が可能になっています。また、育児や介護休業制度をはじめ子育てや家族の介護をする従業員を支援する制度も整備されている企業が多いです。

さらに、メンタルヘルスケアやストレスチェックなど、従業員の健康管理に力を入れる企業も増えています。また、キャリアアップ支援や教育研修制度など、スキルアップに関する取り組みも進んでいます。

これらの働き方改革の取り組みにより柔軟に働くことができて、プライベートとのバランスを取りやすくなっています。

ただ、働き方改革にはまだまだ課題があります。例えば、フレックスタイム制度があっても、実際には残業が増えるといった問題があります。また、テレワークや時短勤務によって、仕事の成果が十分に評価されないといった声もあります。

女性ITエンジニアは働き方の選択肢が結構ある

私の周囲では、結婚後に子育てがはじまって、今の会社を続ける人・転職する人・フリーランスとして独立する人が出てきました。

今の会社を続ける

今勤めている会社でITエンジニアを続けるケースが多いです。私の会社では子育てしている女性のほとんどが続けていてフルタイム勤務から時短勤務に変更しています。

続けることが厳しいという人は、間接部門(直接売上に結びつかいない部門)に異動する人もいます。間接部門とは、総務や経理、人事など顧客と直接接点がない部署のことです。

間接部門は、顧客都合で振り回されたり夜間や休日などのシステムイベントも無いので、一般的には現場より間接部門は働き続けやすいです。

別の会社に転職

現在より良い待遇や、自分がやりたいことにチャレンジするための転職も選択肢にあがります。

元同僚に社内SEへ転職した人がいますが、Sierと比べると給与は少し下がるけどかなり業務負荷が軽いとのことでした(会社によるかもしれませんが)。

社内SEは、事業会社の自社システムの構築・運用に関わる役割です。システム開発や運用を専門的に請け負うSierより一般的に業務負荷が軽いと言われています。

転職する場合、私が個人的におすすめする条件は「時短勤務&在宅勤務&フレックス勤務」の会社です。
フレックス勤務は、働く時間帯が自由な勤務形態のことです。

現在の私がその条件にあてはまるのですが、私にとって時短勤務はほぼ必須。在宅勤務は通勤時間が削減できるし、フレックス勤務があるから夜は家庭に集中できて早朝に残業することが可能です。柔軟に働ける環境はありがたいです。

社内SEは事業会社のシステム部門ですので、その会社が在宅勤務を取り入れてない場合は通勤が必須になるので要チェックです。

たしかに、社内SEで在宅勤務している人って、身の回りだとあまり聞かないかも

ITエンジニアはフリーランスという選択肢もある

ITエンジニアが他の職種より良いと思うポイントは、フリーランスという選択肢もあるところです。

我が家の場合、夫がこのスタイルにシフトしました。急にフリーランスになることは不安だと思うので、フリーランス希望の方は副業からはじめてみることをおすすめします。

重要ポイント|働き方を見直すのって女性だけが考えるの?

家庭は1つのチームだと思います。共働きが7割という現代では働き方を見直すのは女性と決めつけないことも肝心です。

我が家は、私ではなく夫がフリーランスになりました。

正直なところ、女性だと一度辞めると再就職するときに好条件の会社に入るのは難しいリスクがあると考えました。

再就職する場合に条件が落ちるリスクは夫も同じです。ですが、現実的に女性よりは良いだろうと判断しました。

何より夫は何年もフリーランスでやってみたいと言っていたのでチャレンジしてほしいと思いました。

言葉に出すのって大切だね!

参考:我が家の子どもの人数・勤務形態

筆者
夫婦だけ フルタイム正社員 フルタイム正社員
子一人 時短正社員 フルタイム正社員
子二人 時短正社員 フルタイム正社員
子三人 時短正社員 フリーランス

ライフステージによって働き方の価値観が変わるのは当然のことです。

環境を変えるのは後ろ向きなことではなくて、自分がやりたいことにチャレンジする機会でもあります。

夫にフリーランスでがんばってほしい!軌道に乗って起業したら私も合流したいとたくらんでます

新しい環境が自分に合わなければまた就職活動すればいいだけです。自分で決めてチャレンジしたのなら後悔しません。

チャレンジしなかった後悔はずっと尾を引きます。少しでも後悔しない人生を送りたいという判断軸も重要だと思います。

まとめ:ライフステージによって価値観は変わる。無理しすぎない働き方を選ぼう!

今回は、女性ITエンジニアは結婚後も働き続けることができるのか解説しました。

  • 女性ITエンジニアは結婚後も働き続けることはできる。でも働き方を考える必要がある。
  • 女性ITエンジニアが働き方を見直すタイミングは「子育て」。
  • 女性は働き方の選択肢が結構ある。無理しすぎない働き方を選ぼう。
  • 家庭もチーム。働き方は、女性だけでなく男性も含めて考えよう。

「ライフステージによって働き方の価値観は変わる」というと当たり前のように感じます。

ですが、忙しい日々に追われていると自分の状況を客観的にみることができなくて、誤った判断をしてしまっていることがあるかもしれません。

ライフステージが変わるタイミングでどんな働き方をしたいのか夫婦でよく話し合ってみることをおすすめします。

以上、ご参考になるとうれしいです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。

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この記事を書いた人

国内大手SIerに新卒入社し、現在もプロジェクトマネージャーとして働いています。
自社製品開発・受託開発、企画〜開発〜運用保守まで幅広く経験してきました。
ワーママとして日々忙しく働きながらも、なんとか充実した生活を送れています。
実際に働いているからこそわかるリアルな情報や、私自身が転職活動を通じて得たIT業界の知識をわかりやすく発信していきます。

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